Q1:心療内科を受診したら、アスペルガーではなく「ASD」と診断されました。別の病気なのでしょうか?
A1:いいえ、病気そのものが変わったわけではありません。現在の医学的な診断基準(DSM-5やICD-11)において、「アスペルガー症候群」という名称が「自閉スペクトラム症(ASD)」という包括的な傷病名に統合されたためです。医師がカルテや診断書を作成する際には現行の正式病名であるASDが用いられますが、特性の本質は同じです。
Q2:子どもの頃は目立たなかったのに、大人になってから急にアスペルガーになることはありますか?
A2:後天的にアスペルガー(ASD)を発症することはありません。生まれつきの脳機能の特性であるため、幼少期から必ず傾向は存在しています。子どもの頃は学業成績が良かったり、親の手厚いフォローがあったりして潜在化していた特性が、社会人になって「マルチタスクの要求」や「複雑な人間関係」に直面したことで初めて表面化し、大人になって見つかるケースが大半です。
Q3:自閉症やアスペルガーを薬で根本から治療することはできますか?
A3:現在の医療技術において、ASDの先天的な脳機能特性そのものを消し去る根本的な治療薬は存在しません。ただし、付随して生じる極度の不安、不眠、イライラ、うつ症状といった二次障害に対しては、対症療法として抗不安薬や抗うつ薬、気分安定薬などが処方され、生活の負担を大きく軽減することができます。
Q4:高機能自閉症とアスペルガー症候群は、何が違っていたのですか?
A4:過去の分類において、両者は「乳幼児期(おおむね3歳未満)に明らかな言語発達の遅れがあったかどうか」という1点のみで区別されていました。知能指数が70以上であっても、幼少期に言葉が出遅れた場合は「高機能自閉症」、言葉の遅れがなく流暢に話していた場合は「アスペルガー症候群」と区分されていました。しかし、大人になると両者の区別がつかなくなるため、現在では双方ともASDに集約されています。