東京都内の中央卸売市場で仕入れを担当するベテラン仲卸業者は、消費者の買い方について次のように現場の実態を語ります。
「多くのお客さんは、パックの上から見て傷がない綺麗な丸いものを選びがちです。しかし、本当に甘いトマトを作っている生産者のハウスに行くと、トマトは丸くならず、ゴツゴツと角張った形状になります。水を与えずに厳しく育てられたトマトは、内部の部屋(子室)ごとに果肉が押し合うため、断面が少し多角形に見えるのです。綺麗すぎる真球のトマトは、水分をたっぷり吸って育った証拠でもあり、味が薄いケースが目立ちます」
また、大手レシピ投稿サイトやSNSの消費者コミュニティにおける数百件の声を精査すると、「フルーツトマトと書いてあったのに酸っぱくて硬かった」「安売りの大袋を買ったら半分がスカスカだった」という失敗談が後を絶ちません。こうした落とし穴の背景には、外見の美しさを優先するあまり、パック詰めの底面にある「押し傷」や「お尻の黒ずみ(尻腐れ病の初期症状)」を見落としている実態が浮き彫りになっています。袋入りや複数個パックのトマトは、陳列時に下敷きになっている玉の果皮に亀裂や打撲がないかを下側から透かして確認する慎重さが不可欠です。