アニャ・テイラー=ジョイの魅力の根底には、多様な文化が混ざり合った複雑な生い立ちと、幼少期に経験した孤独があります。彼女のアイデンティティを理解する上で欠かせない基本情報を整理します。
スコットランド系アルゼンチン人の元パワーボート選手である父と、スペイン・南アフリカ系のルーツを持つ心理学者の母の間に、6人兄弟の末っ子として誕生したアニャは、幼少期をアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで過ごしました。しかし6歳のとき、政治的混乱を懸念した両親の意向でロンドンへ移住を余儀なくされます。
当時の特番インタビューや手記で語られた回想によると、アルゼンチンへ帰国したい一心から、彼女は「英語を覚えなければ両親が諦めて帰国させてくれるはずだ」と考え、2年間にわたって英語を話すことを頑なに拒否し続けました。ロンドンの学校では言葉の壁や独特の容姿から激しいいじめに遭い、学校のロッカーに閉じ込められたり、容姿を嘲笑されたりする過酷な思春期を過ごしたと告白しています。
居場所を求めて打ち込んだクラシックバレエを挫折した後、運命を変えたのが16歳での街頭スカウトでした。モデル事務所「ストーム・マネジメント」の創設者サラ・ドゥーカスに見出されたアニャは、モデル活動を通じて俳優への足がかりを掴み、17歳で高校を中退して本格的に芝居の道へと飛び込みました。