彼の存在を広く一般の読者へ知らしめた決定的な出来事といえば、お笑い芸人であり芥川賞作家でもある又吉直樹との共作集だろう。2009年に太田出版から刊行された『カキフライが無いなら来なかった』は、当時の文壇やエンタメ業界に大きな衝撃を与えた。
ふたりが織りなす自由律俳句と短文のアンサンブルは、言葉遊びの域をはるかに超えていた。互いの感性をぶつけ合い、共鳴し合いながら生まれる言葉の波紋。太田出版から出版されたこの一冊は、それまで一部の文学ファンに限られていた自由律俳句というジャンルを、一気にポップカルチャーの表舞台へと引き上げた伝説的な名著である。