この3連発が伝説と呼ばれる所以は、三者三様の打撃技術の極致が凝縮されていた点にある。
ランディ・バースが見せたのは、外寄りの球を力負けせずに逆方向へ押し込む驚異的なパワーと卓越したミート技術だった。決して強引に引っ張らず、素直にセンター方向へ運ぶスイング軌道が、逆風をものともしない飛距離を生み出した。
対照的に掛布雅之の打球は、まさに主砲の美学そのものだった。内角寄りのストレートを完璧な軸回転で捉え、高く舞い上がったアーチ。美しいフォロースルーとともに描かれた軌道は、甲子園の夜空に吸い込まれる芸術品のような一撃だった。
そしてトドメを刺した岡田彰布のバッティング。前の二人が完璧な本塁打を放った直後、プレッシャーと期待が最高潮に達する中で、甘く入った変化球を逃さず一撃で仕留めた。豪快なスイングから放たれた弾丸ライナーは、猛虎打線の恐ろしさを象徴していた。