宿の扉を開けてロビーへ足を踏み入れると、視界一面に濃紺の太平洋が広がる。白砂青松百選にも選ばれた伊師浜海岸の南端、緑豊かなアカマツ林と切り立った海食崖が交わる特異な地形。遮るもののない大海原から昇る朝日は、言葉を失うほどの迫力で旅人の胸を打つ。
敷地のすぐそばには、長良川などの鵜飼いに使われる海鵜を捕獲する日本唯一の公的施設「全国ウミウ捕獲供給基地」がひっそりと佇む。断崖の鳥小屋を模した観察所では、伝統の捕獲技術や海鵜の生態を間近に学べる。自然のダイナミズムと日本古来の文化が息づくこの環境こそ、他では決して味わえない唯一無二の舞台装置だ。