多くの著名人が偶然によって難を逃れた一方で、あまりにも残酷な巡り合わせによって命を落としたのが、世界的名曲『上を向いて歩こう』で知られる歌手の坂本九さん(享年43)です。
坂本九さんは、過去の国内線事故の経験や個人の信条から、平素は「全日空(ANA)」を最優先で利用することで業界内でも知られていました。しかし、1985年8月12日はお盆の帰省ラッシュのピーク。大阪の知人の選挙応援およびイベント出演に向かうため、個人事務所のスタッフがANA便のチケットを確保しようとしたものの、すべての座席が完全に満席でした。
どうしても当日の夕方に大阪へ入らなければならなかったため、やむを得ず確保されたのが日本航空123便の座席でした。「普段乗らない航空会社」へのたった一度の変更が、日本中から愛された不世出のスターの運命を決定づけてしまったという事実は、現代の航空史においても最も痛恨の記録として刻まれています。