「二枚目」「美剣士」という完璧なパブリックイメージは、時に彼自身の心を重く締め付けた。真面目で完璧主義な性格ゆえに、求められるスター像と本当の自分との乖離に長年悩まされていたという裏話は、没後に明かされた真実の一つだ。
40代以降、うつ病との闘いを余儀なくされた時期もあった。しかし、彼は病を隠すことなく受け入れ、自らの体験を公にする道を選んだ。過酷な闘病を乗り越えて舞台やドラマへと復帰を果たした姿は、多くの人々に勇気を与えた。華やかなスター街道の裏にあった人間的な苦しみとそれを乗り越えた強さこそが、彼の演技に他者への深い慈愛と深い奥行きを与えていたのである。