一方で、SNSや大手口コミサイト(OpenWorkやキャリコネ等)を覗くと、「総合職は激務でワークライフバランスが崩壊する」「突然の辞令で人生設計が狂う」といった切実な投稿が後を絶ちません。なぜ総合職は激務になりやすいのか、取材で見えてきた構造的原因は主に3点あります。
- 職務範囲のあいまいさ(無限定性):日本型総合職は「自分の仕事の境界線」が定義されておらず、プロジェクトのトラブル対応から社内調整、突発的なクライアント対応まで全責任を背負い込みがちです。
- 高い業績KPIとマネジメント圧力:将来の幹部候補として常に高い成果を求められ、20代のうちから予算管理や後輩の育成などマルチタスクを課されます。
- 予測不能な転勤サイクル:従来型の全国総合職では、3〜5年スパンで居住地が変わる定期異動が常態化してきました。辞令発令から着任までわずか2週間〜1ヶ月という慣習も残存しています。
「大手損害保険会社の元総合職(30代・男性)」は、退職時の手記でこう振り返っています。
『昇給のスピードと周囲の優秀さには満足していたが、結婚直後に地方への転勤辞令が下り、妻のキャリア継続を断念せざるを得なかった。自分の生活の主導権がすべて会社の人事権に握られている感覚に耐えられなくなった』
ただし、2026年現在は働き方改革の進展やリモートワークの定着、育児介護休業法の拡充に伴い、「勤務地選択制度」「配偶者同行休職制度」「転勤免除特例」を導入する企業が急増しています。全国一律の強制転勤から、社員のライフステージに応じた柔軟な運用へと徐々に舵が切られています。