順風満帆に見えたキャリアの裏で、彼女を突然襲ったのが「声が出なくなる」という試練だった。2018年、渡瀬は機能性発声障害を患っていることを公表。歌うことどころか、日常会話すら思うようにいかない日々に直面した。
ボーカリストにとって、声を失うことは自らの存在理由を揺るがされるに等しい。一時は引退の二文字すら頭をよぎったという。しかし、彼女は立ち止まらなかった。地道なリハビリ、ボイストレーニングの根本的な見直し、そしてメンタルケア。何年もかけて自らの声帯と丁寧に向き合い、少しずつ、確実にかつての響きを取り戻していった。その闘病と再起の姿は、同じ病に悩む人々だけでなく、壁にぶつかった多くの人々に大きな勇気を与えることとなった。