ネット上の情報やSNSの口コミを精査すると、良かれと思って行っている工程が仕上がりを損ねている事例が散見されます。特に多い3つの誤解を是正します。
誤解①:「タレをたっぷり入れて炊けば濃厚で美味しくなる」
これは最も陥りやすい失敗です。市販のタレに含まれる糖分(水飴や砂糖)濃度が高すぎると、米が芯まで水分を吸収できず、「表面はベチャつき、芯は硬い」という炊きムラを引き起こします。ベースの塩分と旨味は「白だし」と「酒」で補い、甘辛いタレは下味用の微量にとどめ、仕上げに追いがけするのが鉄則です。
誤解②:「水洗いすると旨味まで全部抜けてしまう」
流水でさっと表面を洗う程度(10〜15秒)では、身の内部に蓄えられた脂質やアミノ酸が流出することはありません。流れているのはあくまで外側に塗布された古いタレとゼラチン質の膜です。洗い流すことを恐れてそのまま炊飯器に入れると、蒸気とともに生臭さが米全体に充満してしまうため、躊躇せず洗うのが正解です。
誤解③:「うなぎは最初から全量を細かく刻んで炊き込むべき」
全量を米と一緒に炊き込んでしまうと、炊飯中の対流でうなぎの身がボロボロに崩れ、見た目も食感も損なわれます。前述の通り「半分は出汁用として炊き込み、半分はトッピング用として蒸らしで合わせる」分割投入こそが、美しさと食感を両立させるプロの技です。