本作の真骨頂は、セリフに頼らない徹底したスラップスティック・コメディの追求にある。登場キャラクターたちが発する言葉は極めて少なく、悲鳴やうめき声、あるいは豊かな表情とオーバーな身振り手振りがすべてを雄弁に物語る。
映像と完璧にシンクロするフルオーケストラの劇伴音楽は、アクションのひとつひとつに命を吹き込んできた。痛快な打撃音やコミカルな落下音は、言語の壁を軽々と飛び越え、世界中のあらゆる文化圏で笑いを生み出す原動力となった。極限まで削ぎ落とされたノンバーバルな演出手法は、今日のアニメーション産業全体に計り知れない影響を与え続けている。