空間の素晴らしさもさることながら、主役である湯の力は圧倒的だ。泉質はナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉。いわゆる重曹泉に分類されるこの湯は、角質をやわらげて肌をなめらかに整える作用を持ち、古くから美人の湯として親しまれてきた。地下深くから汲み上げられた源泉が惜しみなく湯船に注ぎ込まれている。
浴槽に体を沈めると、炭酸ガスを含む細かな気泡が瞬く間に肌を覆い、とろりとした湯の感触が全身を包み込む。特筆すべきは温度設定の妙だ。熱めの主浴槽だけでなく、体温に近い30度台前半に設定された「ぬる湯」が用意されており、身体に負担をかけることなく長時間まどろむことができる。温冷交互浴を繰り返すうちに、日常で張り詰めていた神経がほどけていくのを実感するだろう。