大きな話題を呼んだ劇場版アニメ『忍たま乱太郎 毒たけ忍者隊最強の軍師』のスクリーンの裏で、観客を最も身もだえさせたのは二人の距離感に他ならない。傷ついた者を敵味方問わず救おうとする不運な保健委員長・善法寺伊作と、凄腕でありながら彼に奇妙な執着と寛容さを見せる雑渡昆奈門。
単なる「敵と味方」という二元論をあっさりと踏み越えていく彼らのやり取りは、映画館の暗闇の中で観客の息をのませた。作画監督や演出陣が1フレーム単位でこだわり抜いた視線の交錯や間合いの取り方には、言葉以上の情念が宿っていたと言えるだろう。