ネット検索で極めて多く見られる「スラムダンクの踏切シーンはアニメ第何話なのか」という疑問。結論から言えば、世界中のファンの脳裏に焼き付いているあのシーンは、本編の特定エピソードではなく初代オープニング主題歌『君が好きだと叫びたい』(BAAD)の映像です。
アニメ第1話から第61話まで使用されたこのオープニングアニメーションの冒頭、踏切の手前で肩に部活鞄を担ぐ主人公・桜木花道。警報機が鳴り響くなか、江ノ電の20形を彷彿とさせる緑とクリーム色の車両が通過すると、踏切の向こう側でヒロイン・赤木晴子と友人が笑顔で手を振っている――このわずか数秒のシークエンスこそが、聖地巡礼ブームの原点となりました。
アニメ本編でも陵南高校との練習試合に向かう移動シーン(第8話〜第9話付近)などで江ノ電沿線の風景は描かれますが、オープニングとまったく同じ構図で劇的なドラマが展開するわけではありません。さらに驚くべきことに、井上雄彦氏による原作漫画には、あの踏切の構図は一枚も描かれていないのです。
陵南高校のモデルが神奈川県立鎌倉高校であることはファンの間で広く知られていますが、踏切のドラマチックな演出は東映アニメーションの演出陣がロケーションハンティングを経て生み出したアニメオリジナルの映像表現でした。卓越した映像美と楽曲の疾走感が融合した結果、本編の枠を超えて作品全体を象徴する伝説のカットとなったのです。