赤峰街の歴史を紐解くと、そこには「自動車部品と工具の街」としての顔が浮かび上がる。第二次世界大戦後、台湾のモータリゼーションを支えた職人たちが集まり、エンジンパーツやネジを商う店が密集した。当時は「打鉄街(金物街)」と呼ばれ、油にまみれた作業服を着た人々が行き交う、まさに男たちの仕事場だった。
転機が訪れたのは2010年代半ばのことだ。台北中心部の家賃高騰に伴い、若いクリエイターや若手実業家たちが、風情ある築古の二層建てアパートメントに目をつけた。彼らは古い建物の骨組みや錆びた鉄扉をあえて残し、リノベーションを実施。こうして、伝統的な職人文化と先進的なセンスが同居する唯一無二のストリートへと変貌を遂げたのだ。