では、なぜネット上では「すすきののプッシーキャットは閉店したのではないか」という噂が根強く囁かれていたのでしょうか。調査を進めると、そこにはすすきのナイトレジャーの歴史的変遷と、情報更新のタイムラグによる3つの構造的要因が浮かび上がってきました。
第1の要因は、かつて昭和から平成初期にかけてすすきのの夜を彩った「伝説のショークラブ文化」との混同です。当時、豪華絢爛なステージでダンサーたちが魅せるキャバレーやショークラブがすすきのの一大トレンドであり、「プッシーキャット」という屋号はその象徴的なアイコンとして語り継がれていました。その後、時代の移り変わりや風営法の改正、客層のニーズ変化に伴い、大規模ショークラブ業態が終焉を迎えた歴史があります。「あの華やかなショークラブがなくなった」という古い記憶が、現在の店舗自体の消滅という誤った言説にすり替わって定着した側面が否めません。
第2の要因は、近年のコロナ禍における休業期間や、公式HPの大規模リニューアル、価格改定に伴う一時的な告知の空白です。店舗運営の見直し期間中にポータルサイトの一部リンク切れが生じたことで、感度の高いユーザーの間で「もしや撤退か」と憶測を呼び、5chや知恵袋などで拡散された経緯が確認されています。
第3の要因は、ビル名の認知度です。現在の営業拠点である「第1旭観光ビル」は歓楽街の中心に位置する歴史あるビルですが、周辺で進む再開発やビル建て替えのニュースと混同され、誤情報が一人歩きしてしまったのです。しかし現在、現場を訪れれば一目瞭然であり、ネオンの光とともに活気ある営業風景が広がっています。