現地を訪れたゲストから「テーマパークの限界を超えている」「移動すらままならない」と驚きの声が相次いでいます。SNS上では「朝一番に向かったのに主要アトラクションがすでに3時間待ち」「レストランに入るだけで60分を要した」といった悲鳴に近い報告が連日投稿されています。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの待ち時間は、一体なぜここまで伸び続けているのでしょうか。
取材およびテーマパーク運営データの分析から、待ち時間が急激にインフレを起こしている背景には、3つの構造的要因が存在することが判明しました。
第1の要因は、新エリア拡張に伴う「局所的過密」と滞留時間の長期化です。スーパー・ニンテンドー・ワールドに加わった新拡張エリア「ドンキーコング・カントリー」は、世界中のファンや国内外の観光客を惹きつける圧倒的な磁力を持っています。このエリアにゲストが集中し、入場整理券の発行枚数が上限に達することで、エリア外へあふれ出たゲストが「ジュラシック・パーク」や「ハリウッド・エリア」へと玉突き状に流入し、パーク全域のキャパシティを圧迫しています。
第2の要因は、訪日外国人観光客(インバウンド)の急激な回復とチケット購買行動の変化です。観光庁の訪日外国人消費動向調査や大手旅行代理店のデータによると、訪日客のUSJ来園率は極めて高く、その多くが滞在時間を最大化するために「ユニバーサル・エクスプレス・パス」を事前購入しています。一般スタンバイ列とは別に優先レーン(エクスプレス列)から次々とゲストが合流するため、一般列の消化ペースが物理的に抑制される現象が常態化しているのです。
第3の要因は、ダイナミックプライシング(価格変動制)の浸透による「平日への需要分散の限界」です。平日の入場料が比較的安価に設定された結果、従来であれば閑散期とされていた火曜日や水曜日に有給休暇を取得した国内ゲストや修学旅行生が殺到。その結果、パーク内の混雑が平準化されるどころか、「毎日がハイシーズン」と呼ぶべき過密状態が生み出されています。