「少年役の職人」という強烈な印象の一方で、作品リストを深く掘り下げると、その表現の幅広さに驚かされます。少女向けアニメからファミリー向け作品のマスコットまで、キャラクターの本質を巧みに掴み取る適応力こそが、竹内順子の真の凄みと言えます。
象徴的なのが、『Yes!プリキュア5』の夏木りん/キュアルージュです。情熱の赤い炎を操るボーイッシュな少女でありながら、内面には繊細な乙女心や将来への不安を抱える等身大の中学生を演じました。従来のプリキュア像に新しい風を吹き込んだこの役柄では、竹内順子の代名詞であるハスキーボイスが「頼れる幼馴染の凛々しさ」と「ふとした瞬間の女性らしさ」の見事なコントラストを生み出しています。
マスコットキャラクターとしての手腕も見逃せません。『デジモンアドベンチャー』のゴマモンでは、パートナーである城戸丈の生真面目さを絶妙にいじる軽快さと、いざという時の頼もしさを愛らしく表現しました。また、『おねがいマイメロディ』のクロミでは、自称「マイメロのライバル」でありながらどこか抜けていて健気な悪役少女を怪演。ドスの効いたツッコミから乙女チックな妄想シーンまでを自在に行き来するコミカルな芝居は、現在も若い世代を中心にグッズ人気の高いクロミというキャラクターの魅力を決定づけました。