米誌絶賛の養浩館庭園!水屋敷の美と戦災復元の真相【2026最新】

米誌絶賛の養浩館庭園!水屋敷の美と戦災復元の真相【2026最新】

米誌絶賛の養浩館庭園!水屋敷の美と戦災復元の真相【2026最新】の見逃せないポイントを徹底的にカバーしました。

米国の日本庭園専門誌『ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング(JOJG)』が毎年発表する「しおさいプロジェクト(日本庭園ランキング)」において、養浩館庭園は島根県の足立美術館や京都の桂離宮と並び、全国1,000カ所以上の候補地の中から常に全国上位3位〜5位前後にランクインし続けています。なぜ地方都市の市街地に位置するこの庭園が、目の肥えた海外の専門家たちをこれほどまでに魅了してやまないのでしょうか。その最大の要因は、世界的にも稀有な「水屋敷」の構造と、空間体験そのものの設計にあります。

一般的な名勝庭園では、貴重な書院や茶室の内部は立ち入り禁止とされ、外周の園路から建物を外観として眺める鑑賞方式が主流です。しかし養浩館庭園では、かつての福井藩主と同じように座敷に上がり、畳の上に腰を下ろして庭園と対峙することが許されています。屋敷の縁側に座ると、池の水面が建物の床下深くまで潜り込むように設計されており、まるで自らが水上に浮かぶ舟に乗っているかのような錯覚を覚えます。

さらに注目すべきは、水面と光が織りなす建築の精巧な意匠です。風が穏やかな日には、池のさざ波に反射した太陽光が座敷の天井に映り込み、優美な光の揺らぎ(水影)を映し出します。派手な装飾を削ぎ落とし、素木(しらき)の風合いを生かした数寄屋建築は、柱の細さや庇(ひさし)の出幅に至るまで、座ったときの視線(アイレベル)から池と庭石、樹木が最も美しく見える比率で計算し尽くされています。空間と自然が境目なく溶け合うこの没入感こそが、全米の造園家や建築家を唸らせる最大の理由なのです。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。