一般的に最も頻繁に発生する「アフタ性口内炎」は、ストレスや疲労、栄養不足、免疫力の低下などによって口腔粘膜の代謝が乱れ、円形の浅い潰瘍が形成される病態だ。この傷口の表面は潰瘍膜と呼ばれる薄い膜で覆われており、そのすぐ下には痛覚を司る神経が剥き出しになっている。
ここに高濃度の塩化ナトリウムが接触すると、細胞の内外で強烈な浸透圧差が生じる。水分が急激に細胞外へ引き出され、壊死した組織がさらに拡大する。口腔内科学の観点からも、固形塩の直接塗布は組織損傷を深化させるため、推奨されることは一切ない。痛みの真相は「消毒の証」ではなく「組織の破壊」なのだ。