プリンスルートという優美な名称は、2008年8月28日に日本山岳会の会員でもあられる皇太子殿下(現天皇陛下)が富士登山に挑まれた際に歩かれた道筋に由来しています。歴史や地形に造詣が深い殿下のために、富士山の地質学的魅力と歴史的景勝を安全かつ深く味わえるよう考案された特別な登路でした。
当時、殿下は富士宮五合目から出発され、江戸時代の宝永大噴火(1707年)で誕生した荒涼たる宝永第一火口を間近に観察しながら御殿場ルートへとトラバースされました。7合目の山小屋「日の出館」にご宿泊後、翌朝に富士山頂へと登頂。下山は御殿場ルート名物の大砂走りを快調に下り、御殿場口新五合目へと無事に下山されました。
この皇太子殿下による富士登山の経緯が広く報道されると、既存の4大ルート(吉田・須走・御殿場・富士宮)の枠組みを超えた魅力的なハイブリッドコースとして山岳界で一気に脚光を浴び、「プリンスルート」の愛称で広く親しまれるようになりました。