物語がどのような結末を迎えるのか、多くの読者が固唾をのんで見守った最終回。読者の間では「離婚して美咲が解放されるのか」「それとも康夫が心から改心して元通りの仲良し夫婦に戻るのか」という2つの予想が主流でした。しかし、野原広子氏が描いた結末はそのどちらでもありませんでした。
最終盤、康夫はついに美咲が口をきかなくなった根本的な原因が自らの過去の言動にあることに気づき、美咲に心からの謝罪を試みます。それを受け、美咲は5年ぶりに康夫に対して言葉を発します。しかし、それは「夫婦関係の完全な再構築」を意味するものではありませんでした。
美咲は口をきくようにはなったものの、一度冷え切った康夫への愛情や信頼が戻ることはなく、物語は「離婚はせず、子供を育てるための同居人として淡々と共同生活を続ける」という着地を迎えます。かつてのような温かい笑顔や心の触れ合いは二度と戻らない——。この生々しくビターな幕引きに対して、読者からは「あまりにもリアルで胸が締め付けられる」「お互いに妥協した現実的な選択」と、深い余韻と衝撃が広がりました。