近年、機能性インナーや吸汗速乾性を備えた最新のスマート衣料が普及しているが、こうした衣類への使用には極めて慎重な判断が求められる。ポリエステルやナイロンなどの合成繊維自体は耐薬品性を持つものの、伸縮性を生み出すポリウレタン繊維は塩素によって致命的なダメージを受ける。一度分解されたポリウレタンは元に戻らず、服が伸びきってしまう原因となるのだ。
また、「白物をより白くする」目的で使ったはずが、逆に生地が黄色く変色してしまったというトラブルも絶えない。これは、衣類の縫製糸や加工剤に含まれる樹脂成分、あるいは水に含まれる微量の鉄分が塩素と反応して酸化することで発生する現象だ。ウールや絹、麻といった天然素材はもちろんのこと、ポリエステル混紡の最新衣料であっても、洗濯表示の「エンソ素系漂白不可」マークの有無を確認する作業は絶対に欠かせない。