順風満帆に見えた宇野政権の足元は、就任からわずか数日で崩壊へと向かいます。週刊誌『サンデー毎日』が、神楽坂の元芸者・中西みつ子氏による独占告発手記を掲載。宇野が愛人関係を迫った際の手当の提示方法が生々しく暴露されたのです。
世間に凄まじい衝撃を与えたのが、いわゆる「指3本」のエピソードでした。料亭の席で宇野が指を3本出し、「これでどうだ」と持ちかけたとされます。この金額について、元芸者側は「月額30万円の手当(自分の格式を著しく見下した額)」と受け止め、一方の政界関係者の間では「月300万円か一括3000万円の意味だったのではないか」と議論が交錯しました。
金額の多寡以上に世論の怒りを買ったのは、人間関係を札束の合図ひとつで片付けようとした傲慢な振る舞いでした。当時、日本の大手全国紙やテレビ局は「政治家の私生活は報じない」という長年の不文律を守り、当初はこのスキャンダルを黙殺していました。しかし、米有力紙『ワシントン・ポスト』が「芸者スキャンダルに揺れる日本の首相」として1面で大々的に報道したことで事態は一変します。海外メディアからの猛烈な逆輸入報道を受ける形となり、国内メディアも追随せざるを得なくなりました。