なぜ現代人は、これほどまでに手軽に運命を変えたがるのか。社会学者は、タイムパフォーマンス(タイパ)を重視する現代社会の歪みがここにあると指摘する。努力を重ねて結果を待つ時間すら惜しい、あるいは努力が報われないと諦めている若者にとって、数万円の施術費で「最強の運気」を手に入れられるなら、それは合理的な投資なのだ。
「自分で運命を切り拓く」という言葉は聞こえが良いが、その実態は、不確実な未来に対する強烈な不安の裏返しに他ならない。スマホの画面をスクロールすれば、同世代のインフルエンサーが暗号資産や起業で成功した姿が嫌でも目に入る。焦燥感に背中を押され、彼らはクリニックのドアを叩く。