かつてInstagramのフィードを飾っていたのは、完璧に左右対称な構図と、ミリ単位で調整された表情だった。しかし、今のZ世代やそれに続く世代が求めているのは、もっと泥臭く、もっと人間味のある瞬間だ。彼らはカメラを向けられた瞬間、わざと視線を落としたり、歩き去る背中を見せたりする。この「ポーズを取らないためのポーズ」こそが、現在の主流なのだ。
「綺麗に見せようとすればするほど、嘘っぽく見えてしまう」と、都内の大学に通う女子学生(21)は語る。彼女のスマートフォンのフォルダには、友達と爆笑した瞬間のブレた写真や、食べ物を口に運ぶ途中のカットばかりが並ぶ。作り込まれた美意識に対する反発が、新しいビジュアル言語を生み出している。