ネットの匿名掲示板やSNSでは「偏差値40の高校・大学に行くと就職できずに人生終了する」といったセンセーショナルな言説が散見されます。しかし、社会構造と雇用市場の実態を客観的に見れば、これは明らかな誤解です。
第一に、日本の採用市場における「学歴フィルター」は主に一部の大手総合商社、外資系コンサル、大手金融・広告代理店などの人気上位企業に集中しています。中小企業、ITエンジニア職、地方公務員、医療・福祉系、インフラ関連企業など、実務能力や人柄、専門資格を最重要視する業界においては、大学偏差値がキャリアの決定打になることはありません。
第二に、偏差値40の高校出身であっても、大学受験でのステップアップや、大学在学中の資格取得(日商簿記1級、基本情報技術者、宅建士など)を通じて、東証プライム上場企業への内定を獲得する事例は枚挙にいとまがありません。教育社会学的な観点からも、10代半ばのテスト数値ひとつで個人の生涯年収やキャリアが固定化されるという言説は、統計的根拠を欠いた極論です。