ブラシの良し悪し以前に、日々の洗浄手順を誤っているケースが散見されます。義歯を清潔に保ち、長持ちさせるための鉄則を確認しましょう。
1. 一般用の歯ブラシによる代用は避ける
「普通の歯ブラシがあるから代用できる」と考えがちですが、天然歯用の歯ブラシは毛束が小さく柔らかすぎるため、義歯の広範囲な床部分についたヌメリを効率よく落とせません。逆に、金具(クラスプ)の隙間を磨こうとして無理に押し込むと毛先がすぐに開き、汚れを押し広げてしまいます。必ず部分入れ歯専用ブラシか、専用に設計された義歯用ブラシを使用してください。
2. 研磨剤入り歯磨き粉の使用は厳禁
天然歯と同じ感覚で研磨剤の入った一般的な歯磨きペーストをつけて磨くのは、絶対に避けなければなりません。研磨粒子が義歯の樹脂を削り取り、表面の艶を奪ってしまいます。義歯を磨く際は、水またはぬるま湯のみで行うか、義歯専用の泡・液体クリーナーを使用するのが正しい手順です。
3. 総入れ歯と部分入れ歯で磨き分ける
総入れ歯のお手入れでは、大きなヘッド側を使って歯の並びとピンク色の歯肉部分を面で捉えて洗い流します。一方、部分入れ歯では、残存歯にかける金属バネの裏側や溝に汚れが溜まりやすいため、小さく尖った山型ブラシ側を使い、金具を変形させないよう優しい力加減でピンポイントに清掃することが肝要です。