かつて昭和から平成にかけてのバラエティでは、女性芸人が「結婚できない」「容姿が劣る」「男性に相手にされない」といった記号的な役割を強いられるケースが少なくありませんでした。しかし2020年代半ばを経て、お笑いシーンの倫理観と視聴者ニーズは不可逆的な変革を遂げました。
この変化の先頭に立ったのが、自著やメディアで「誰も傷つけないギャルマインド」を公言してきたエルフ荒川です。彼女はバラエティ番組において自虐に逃げることなく、「ウチらが一番カワイイ」「好きな自分で生きていく」というアティチュードを前面に出すことで、Z世代の女性を中心に熱狂的な支持層を獲得しました。ネット上でも「荒川ちゃんを見ていると元気が出る」「ネタの構成が実は超本格派で脱帽した」といった肯定的な評価が圧倒的多数を占めています。
また、女性お笑い芸人ネットの反応をソーシャルリスニングで分析すると、紅しょうがのネタに対する「女子会のあるあるを皮肉と愛嬌で芸術に昇華している」という共感の声や、ヨネダ2000の「性別を一切関係なくさせる唯一無二のナンセンス漫才」という絶賛が目立ちます。もはや「女性だから」というフィルターでネタを評価する時代は完全に過去のものとなり、表現の強度そのものが問われる時代に突入しました。