宮崎あおいのファッション変遷を語る上で欠かせないのが、2000年代後半から2010年代初頭にかけて社会現象となった森ガールファッションの牽引です。特に「earth music&ecology(アースミュージックアンドエコロジー)」の広告塔として見せた、レースや小花柄、重ね着を駆使した可憐なビジュアルは、当時の若者カルチャーの象徴となりました。
あれから年月を経て、彼女が到達した大人の着こなし術は、当時の甘さを削ぎ落とした「大人のための引き算スタイル」です。フリルや過剰なレイヤードを排し、代わりに主役へ据えたのは「仕立ての美しさ」と「ファブリックの質感」。ゆったりとしたオーバーサイズのシャツには、ハリ感のある上質なリネンやコットンを選び、だらしなさを微塵も感じさせない端正さを同居させています。
かつての少女のような愛らしさをベースに残しながらも、シックなトーンやマニッシュなテーラードジャケットを取り入れることで、奥行きのある宮崎あおいナチュラルコーデへと進化を遂げました。甘さを控えめにしつつ、襟元の開き具合や袖のロールアップで女性らしい華奢さを覗かせる技は、まさに大人の日常着のお手本です。