日本テレビ系の番組『木曜スペシャル』への出演を皮切りに始まった昭和の超能力ブームの経緯は、まさに熱狂そのものでした。1974年春、イスラエル出身の青年ユリ・ゲラーがスタジオで軽く指をなぞるだけで硬い金属スプーンがぐにゃりと曲がり、視聴者に「壊れた時計を用意してください」と呼びかけると、全国から「止まっていた時計が動き出した」という報告が電話窓口へ殺到しました。
このユリゲラー来日の歴史は、メディアが巨大な共犯関係となってオカルトカルチャーを牽引した象徴的な出来事です。当時のテレビ演出はドキュメンタリータッチで構成され、防衛庁関係者や科学者まで立ち会わせることで信憑性を補強しました。学校の給食時間にはスプーンを曲げようとする児童が続出し、曲がった食器が大量に破損して社会問題に発展するほどの熱気でした。