自然界には、メラニズムによって独自の進化や生態を確立した黒変種動物が数多く存在します。代表的な生物とその特徴を見ていきましょう。
■ クロヒョウ(ブラックパンサー)
メラニズムの最も有名な代表格です。「クロヒョウ」という独立した種がいるわけではなく、ヒョウやジャガーのメラニズム個体を指します。一見すると全身真っ黒に見えますが、強い太陽光の下で観察すると、地肌にある独特の花柄模様(梅花状斑)がうっすらと浮かび上がります。密林の夜間狩猟において、この黒い毛並みは極めて優れた迷彩効果を発揮します。
■ 黒サーバル・黒オオカミ
アフリカの高地に生息するサーバルキャットや、北米の森林地帯に暮らすハイイロオオカミにもメラニズム個体が存在します。特に北米の黒オオカミの研究では、黒化をもたらす遺伝子変異が特定のウイルス感染症に対する免疫力を高めている可能性が示唆されており、体色変化が生存競争を有利に導いた好例とされています。
■ アヤム・セマニ(全身漆黒のニワトリ)
インドネシア原産のニワトリ「アヤム・セマニ」は、羽毛やトサカだけでなく、皮膚、肉、骨、内臓に至るまで漆黒に染まっています。これは「線維メラニン症」と呼ばれる極端な遺伝的変異によるもので、現地では神秘的な霊鳥として重宝されています。
このほかにも、メラニスティックなアオジタトカゲやヘビなどの爬虫類、黒化型のオオシモフリエダシャク(蛾)など、多様な生物種で黒変種が確認されています。