耳の中の水は、外耳道の細い管の中で「表面張力」によって膜を張り、留まっている状態です。この表面張力を壊すか、毛細管現象や温熱による蒸発を促すことが、痛みのない耳の閉塞感 解消法となります。
現場の医師やダイバーも実践している、安全性の高い4つのアプローチを解説します。
1. ティッシュの「こより」による毛細管現象
清潔なティッシュペーパーを細くよじって「こより」を作り、水が入った耳の入り口からそっと差し込みます。こよりを使った水抜きは、先端が水分に触れた瞬間に毛細管現象で水が一気に吸い上げられるため、外耳道を擦る必要が一切ありません。綿棒よりも皮膚への刺激が極めて少なく、最も手軽で安全な方法です。
2. 手のひらを使った「真空ポンピング法」
水が入った側の耳を下に向けて首を傾け、耳穴を手掌でぴったりと覆って密閉します。そのまま手のひらを軽く押し当て、パッと素早く離す動作を数回繰り返します。耳内部の気圧をわずかに変化させることで、表面張力で固まっていた水滴が崩れ、重力に従って自然に流れ出します。
3. ドライヤーの微温風による蒸発促進
耳の奥にわずかに残った湿気には、ドライヤーを使った水抜きが有効です。ドライヤーを「弱温風」または「冷風」に設定し、耳から約30cm以上離した位置から外耳道に向けて数分間風を当てます。熱風を至近距離で当てると火傷や皮膚炎の原因になるため、必ず十分な距離を保ち、適度な風量で行うことが鉄則です。
4. 温タオルを用いた側頭部の加温
水で濡らして絞ったタオルを電子レンジで温め、水が入った側の耳に押し当てて数分間リラックスします。耳の周囲が温まることで外耳道がわずかに拡張し、内部の空気が膨張して水滴が押し出されやすくなると同時に、水分の自然蒸発が加速します。