永田町の政界関係者やメディア関係者が毎月欠かさず注視するのが、時事通信社が発表する内閣支持率の世論調査結果です。読売新聞、朝日新聞、NHK、日経新聞などが発表する支持率に比べ、時事通信社の数字は一貫して「他社より5〜10ポイント程度低く出る」傾向があることで知られています。
一部のネット掲示板やSNSでは「反政権的なバイアスがかかっているのではないか」という穿った声が散見されますが、これは事実と全く異なります。数字の乖離を生み出している真因は、調査手法の厳密さにあります。
現在、大手報道各社の大半が採用しているのは、コンピューターで無作為に電話番号を発生させて架電する「RDD(Random Digit Dialing)方式」です。電話口での自動音声や調査員の簡単な問いかけは拘束時間が短く、回答者が「まあ支持する」と気軽に答えやすい心理的メカニズムが働きます。
対照的に、時事通信社の世論調査は全国の成人男女2,000人を対象に、調査員が対象者の自宅を直接訪問して対面で聞き取る「個別面接聴取法」を現在も原則として守り続けています。対面での面接調査は、質問に対して熟考する時間が生まれ、「どちらとも言えない・わからない」という態度保留層が正確にすくい上げられます。その結果として「支持する」と即答する層がふるいにかけられ、数字がシビアに反映されるというわけです。統計学の専門家の間でも、時事通信社の面接調査は「政権の岩盤支持層の真の厚みを測る定点観測データ」として極めて高い信頼性を認められています。