過去には「手厚すぎる厚遇」として批判の的となった東京都議会議員 特権ですが、平成から令和にかけて大きなメスが入りました。
かつて存在した地方議員年金は2011年(平成23年)に財政破綻に伴い廃止され、公費からの手厚い上乗せ年金は消滅しました。また、かつて議員の退職時に支払われていた退職手当(いわゆる都議会議員 退職金 廃止)も法改正により完全になくなっており、現行制度では厚生年金への加入一本化となっています。
さらに改革の象徴となったのが、本会議や委員会に出席するだけで定額支給されていた都議会 費用弁償(かつて日額1万円〜1万2,000円程度支給)の扱いです。2010年代後半からの議員報酬 削減 経緯の中で「実費を超えた小遣い稼ぎ」との厳しい世論を受け、都議会では定額費用弁償を全廃し、実費弁償方式へと改められました。
このように、昭和・平成期に存在した過剰な優遇措置の多くは削減・廃止されており、現代の都議会議員報酬は「高額な基本歳費+実費主義の活動費」という形に純化されています。
【プロの結論】高額報酬の妥当性と有権者が注視すべき監視の視点
政治学および統治構造論の視点から見ると、議員報酬の議論には「プロフェッショナリズムの確保」と「過度な特権化の防止」という相反する要請が存在します。
年間1,700万円超の報酬は確かに高額ですが、東京都の年間予算規模は約16兆円(一般会計・特別会計等の合算では30兆円規模)に達し、一国の国家予算にも匹敵します。この巨大組織の施策を精緻にチェックし、行政の暴走を防ぐ専業プロフェッショナルを引き付けるためには、民間トップ層や専門職に見合う処遇を用意することが制度上の合理性を持っています。安易な歳費の極端な引き下げは、富裕層やリタイア世代しか政治に参加できない「議員のなり手制限」を招くリスクを孕んでいます。
したがって、有権者にとって真に重要なのは「単に年収が高いか低いか」を感情的に叩くことではなく、「受け取っている報酬と政務活動費に見合う調査・立法・行政監視の実績を上げているか」を厳正に評価することです。公開された政務活動費の使途や本会議・委員会での質疑実績に目を配ることこそが、健全な地方自治を育む鍵となります。