ネット上で定期的に拡散される不穏な噂の一つに「トムとジェリーには2人が線路の上で命を絶つ絶望的な最終回が存在する」という言説があります。この都市伝説の真相は半分本当で、半分デマです。
元ネタとなったのは、1956年に制作された短編映画『悲しい悲しい物語(Blue Cat Blues)』。恋に破れたトムとジェリーが失意の底に沈み、遠くから迫る列車の汽笛を聞きながら線路の上に座り込むシーンで幕を閉じるという、極めて異色の鬱展開が描かれました。しかし、これは当時の制作陣が描いた一幕に過ぎず、公式の最終回ではありません。シリーズはこのエピソード以降も変わらず制作が続けられています。
また、初期の名作『天国と地獄(Heavenly Puss)』のように死後の世界をテーマにしたシュールな作品も存在しますが、基本構造にあるのは「喧嘩するほど仲が良い」という絶対的な信頼関係です。互いに本気で排除しようとしているわけではなく、相手がいない日常には耐えられない共依存的な友情こそが、作品を貫く最大の裏設定と言えます。