メジャーリーグの歴史を紐解いても、クレイトン・カーショウの通算成績ほど異彩を放つ記録は見当たりません。とりわけ特筆すべきは、打高投低の時代やフライボール革命の荒波を経験しながら、通算防御率を2.50前後という驚異的な水準でキープし続けている事実です。近代野球(1000イニング以上登板)において、この数値は歴代最高峰に位置付けられており、MLB公式記録を検証しても並み居るレジェンドたちを凌駕しています。
通算成績の柱となるメジャー通算勝利数は210勝以上を積み上げ、奪三振数も大台の3000奪三振という歴史的マイルストーンに到達、あるいは目前に迫る領域まで達しています。2011年、2013年、2014年と3度にわたるサイ・ヤング賞の獲得に加え、2014年には先発投手としては極めて異例となるナショナル・リーグMVPを同時受賞しました。当時の特番インタビューや手記で本人が「自分の投げたボールに嘘をつかないための準備を毎日繰り返しているだけだ」と語った通り、ストイックなルーティンワークがこの圧倒的なスタッツを支えています。
セイバーメトリクスの指標であるWHIP(1イニングあたりに出す走者数)においても、全盛期には1.00を大きく下回る驚異の数値を連発しました。制球力と奪三振能力を高次元で融合させたピッチングスタイルこそが、カーショウの成績を神格化させた最大の要因です。