この楽曲の歌詞は、発表当時から「意味不明で支離滅裂」と評される一方で、若者たちの無力感と憤りを完璧に代弁していると熱狂的に受け止められました。カート自身、インタビューにおいて「ピクシーズ(The Pixies)のような究極のポップソングを作ろうとしただけだ」「言葉の語感とリズムを優先した」と煙に巻く発言を繰り返していましたが、行間には当時のアメリカ社会に対する鋭い観察眼が刻まれています。
特に象徴的なのが、サビで幾度となく叫ばれるフレーズです。
「With the lights out, it's less dangerous / Here we are now, entertain us」
(明かりを消せば、危険も薄らぐ / 俺たちが集まったんだ、さあ楽しませてくれよ)
この一節は、自発的な意思を持たず、ただ刺激を求めてライブハウスや消費の場に群がる同世代の若者たち(いわゆるジェネレーションX)に対する、冷ややかな皮肉に他なりません。「暗闇の中にいれば自分自身と向き合わずに済む」「安全な場所に引きこもりながら、誰かが自分を楽しませてくれるのを口を開けて待っている」という、当時の若年層に蔓延していた無気力と無関心を痛烈に抉り出しています。
また、ヴァース(Aメロ)部分で呟かれるフレーズも極めて暗示的です。
「I'm worse at what I do best / And for this gift I feel blessed」
(自分が最も得意なことすら、ちっとも上手くやれやしない / でもこの才能を与えられたことをありがたく思っているよ)
ここでは自己卑下と自己愛、社会に対する諦念が複雑に交錯しています。そして曲の最後を締めくくるのは、喉を擦り切らんばかりに連呼される「A denial(否定 / 拒絶)」という叫びです。自らの主張すらも即座に無効化し、意味の構築そのものを拒み続けるその態度は、既成の価値観に完全に絶望した世代のリアルな心理状態を雄弁に物語っていました。