極限の集中力が問われる現場において、ゲン担ぎは精神の安定剤として欠かせない役割を果たしています。
受験生が実践する「行動と勝負飯」の定番
入学試験シーズンにおける受験のゲン担ぎ行動として、定番菓子「キットカット(きっと勝つと)」の持参や、菅原道真公を祀る神社での五角形(合格)鉛筆の購入、さらには「試験当日は必ず右足から靴を履いて玄関を出る」といった行動規範が定着しています。
また、ゲン担ぎの食べ物・勝負飯の筆頭として知られるのが「カツ丼」です。カツ丼を食べる理由はもちろん「勝つ」という言葉の語呂合わせにあります。豚肉に含まれるビタミンB1が糖質の代謝を促し疲労回復を助けるという栄養学的な裏付けもあり、古くから力飯として重宝されてきました。ただし、直前の胃腸への負担を考慮し、近年では消化の良い「チキンカツ」や「ネバネバ食材(納豆・オクラ=粘り強く挑む)」を選ぶ工夫も見られます。
トップアスリートたちの手記や会見から見るリアル
スポーツ選手のゲン担ぎ例は枚挙にいとまがありません。元メジャーリーガーのイチロー氏が打席に入る際にバットを垂直に立てる動作や、毎朝の朝食メニューを一定に保っていたエピソードは有名です。また、元ラグビー日本代表の五郎丸歩氏がキック前に両手を胸の前で合わせるルーティンも、ゲン担ぎが洗練されたプレ・パフォーマンス・ルーティンの一種と言えます。
あるプロ野球選手の回顧録や特番インタビューでは、「連勝中はパンツを履き替えない、あるいは必ず同じ下着を身につける」「球場の白線を絶対に左足からまたぐ」といった徹底したこだわりが語られています。客観的には非合理に見える行動も、本人にとっては「昨日と同じ最高の自分を再現する」ための確固たる足場になっていることが分かります。