こうしくんというキャラクターを唯一無二の存在たらしめた最大の功労者は、声優の愛河里花子さんです。『ポケットモンスター』のゼニガメや『クレヨンしんちゃん』などでも知られる希代の名バイプレーヤーですが、こうしくんにおける演技アプローチはまさに職人技でした。
こうしくんのトレードマークである語尾の「〜どす」「はいな〜」という独特のニュアンスは、単なる台本の読み上げにとどまりません。食いしん坊キャラとしての咀嚼音、息遣い、泣き喚く際のアドリブ混じりの絶叫など、スタジオ収録現場でのライブ感がそのままアニメーションにフィードバックされていました。当時の制作関係者や声優仲間の証言によれば、愛河さんの自由奔放かつ緻密に計算された芝居が、作画スタッフのインスピレーションを刺激し、こうしくんのコミカルな挙動をさらに豊かにしていったといいます。
こうしくん 名セリフといえば、危機的な場面でも思わず口をついて出る「おなかがすいたどす〜」、そして安心した瞬間にこぼれる「もぐもぐ……やっぱりヒマワリの種は最高どす」。このセリフ回しは、過度な緊張感をふっと緩める劇薬として、シリーズ全体のリズムを整える役割を果たしていました。