稀代の名優チェン・クンが見せた演技の振れ幅は凄まじい。無邪気な道化を装う軽妙さから、親兄弟を死に追いやる冷血な謀略家への豹変。眉のわずかな震えや冷笑ひとつで、内面に渦巻く狂気と哀愁を余すところなく画面に刻みつけた。9年ぶりのドラマ復帰作として彼が選んだ理由が、その鬼気迫る佇まいから痛いほど伝わってくる。
対するニー・ニーは、映画界で培った強烈な存在感を遺憾なく発揮した。知略で男たちを圧倒する凛々しい男装姿と、ひとりの女性として寧弈の前で見せる痛切な脆さ。二人が対峙する密室のシーンでは、台詞の応酬を超えた緊張感が張り詰める。互いを信じたいと願いながらも疑い合わなければ生き残れない、剥き出しの人間ドラマがそこにある。