居酒屋で「チューハイ」と「サワー」のどちらを頼むべきか迷った経験はないだろうか。結論から言えば、現代の日本の飲料市場において両者の間に厳密な区別はほとんど存在しない。関東ではサワー、関西ではチューハイと呼ばれる傾向があるものの、提供されるお酒の構造自体はほぼ同一だ。
この飲み物の語源を遡ると、戦後の東京下町で誕生した「焼酎ハイボール」に行き着く。当時の粗悪な蒸留酒を飲みやすくするため、炭酸水やシロップで割ったのが始まりだ。「焼酎」の「チュー」と「ハイボール」の「ハイ」が合体し、愛称として定着していった。一方で「サワー」は英語の「sour(酸っぱい)」に由来し、レモンなどの果汁と甘みを加えたアメリカのカクテル文化が日本流にアレンジされたものだ。時代とともに両者の境界線は曖昧になり、今ではすっかり同義語として親しまれている。