1960年代後半から1970年代初頭にかけて、国民的コントグループ「ザ・ドリフターズ」の付き人、通称「ボーヤ」として芸能界の第一歩を踏み出した。当時の音楽・芸能シーンは、まさにサイケデリックカルチャーや長髪ブームの真っ只中。若き志村さんもまた、その時代の空気を全身で吸収していた。
井山淳平氏と組んでいた伝説のお笑いコンビ「マックボンボン」時代や、バンドの機材運び・舞台転換に追われていた付き人時代、彼の長髪は風になびいていた。過酷な下積み生活の合間を縫って、音楽雑誌を貪り読み、最新の洋楽に耳を傾ける日々。バンドマンとしての顔も持っていたドリフの付き人という環境は、彼の音楽的感性とコントにおけるリズム感を決定づけた。ロン毛のスタイルは、そんな「音楽と笑い」の狭間で模索を続けていた青年・志村康徳(本名)の等身大の姿だったと言える。