日本映画史において、若手実力派の登竜門として語り継がれる金字塔的作品が存在する。その代表格が、金原ひとみの芥川賞受賞作を蜷川幸雄監督が映画化した『蛇にピアス』だ。当時、弱冠19歳だった吉高由里子が見せた体当たりの熱演は、芸能界全体に強烈な衝撃を与えた。
背中に痛々しいタトゥーを刻み、身体改造に没頭する少女の刹那的な生き様を、彼女は一切の逃げなしに演じ切った。単なる露出ではなく、心の叫びを肉体で表現したその姿は、一躍彼女をスターダムへと押し上げるきっかけとなった。度胸と透明感が同居する彼女の存在感は、過激なシーンさえも美しいアートへ昇華させたのだ。