ステップドリルを扱う際、よく議論になるのが「下穴は最初から開けるべきか」という点です。1mm未満の薄いトタンや樹脂板であれば先端のドリル刃でそのまま食い込ませることも可能ですが、2mm以上の鉄板やステンレス板では細いツイストドリル(2.5〜3.0mm程度)で下穴をあらかじめ開けておくのが確実です。
先端にかかる初期負荷を逃がしてやることで、ステップドリル本来の切削能力がスムーズに発揮され、刃先の寿命を飛躍的に延ばすことができます。位置決めを正確にするためにも、まずはセンターポンチで窪みを打ち、下穴を通してからステップドリルを投入するのが王道の段取りです。
また、現場で多用される「インパクトドライバー」への装着には慎重さが求められます。インパクトドライバーは負荷がかかると内部ハンマーが作動し、強力な打撃(ショック)を与えます。この衝撃がステップドリルの超硬質コーティングや刃先を叩くことで、微細な刃こぼれ(チッピング)を急速に引き起こすリスクがあります。
インパクトドライバーを使用する場合は、打撃音が鳴り響く前にトリガーコントロールで低速かつ一定の粘り強いトルクをキープするか、回転のみで動作する「ドリルドライバー」や「ボール盤」を使用するのがベストです。