テレビ番組のひな壇やYouTube動画で、特定のタレントの歯に対して「不自然なほど白すぎる」「チョークや陶器のようだ」と違和感を覚えたことがある読者も多いはずです。芸能人の歯が白すぎる理由の根底には、高精細カメラの進化と業界特有の事情が存在します。
現在主流の4K/8K放送やスマートフォンの有機ELディスプレイは、演者の毛穴や歯のわずかな黄ばみ・段差を冷酷なまでに映し出します。加えて、スタジオの強力な照明(ライティング)が当たると、一般的な黄色味を帯びた天然歯はくすんで見えやすいという視覚的トラップがあります。そのため、多くのタレントやモデルは一般的な歯の色見本(シェードガイド)における「A1」や「B1」といった標準的な最高明度を遥かに超えた、人工歯専用の「ブリーチシェード(NW0/BL1など)」を選択する傾向にありました。
バラエティ番組等で活躍するタレントの告白手記やインタビューによると、「所属事務所からデビュー前の条件として審美治療を命じられた」「共演者の歯の白さに圧倒され、スタジオ収録後にそのままクリニックへ直行した」といった現場証言が数多く残されています。周囲の美基準が極端につり上がった結果、過剰な白さを競い合うインフレ現象が起きていたのが実情です。