ナンバープレートは、趣味や文化的なアイコンへのオマージュを捧げるキャンバスでもある。日本のロック界における生きる伝説、矢沢永吉の熱狂的なファン(通称・E.YAZAWAファン)にとって、「830(ヤザワ)」は愛車に刻むべき聖なる数字だ。全国のライブ会場の駐車場に「830」を掲げた車がずらりと並ぶ光景は、カルチャーとしての力強さを感じさせる。
同様に、モータースポーツファンやアニメファンを魅了してやまないのが『頭文字D』に登場するスプリンタートレノ(AE86)や各ライバル車のナンバーを再現するスタイルだ。劇中の興奮を自分の愛車に重ね合わせることで、ドライブ体験そのものがエンターテインメントへと変化する。海外映画のファンであれば、ジェームズ・ボンドのコードネームに由来する「007」を英国車やスポーツカーに与え、静かなダンディズムを漂わせるケースも珍しくない。