物語の原点を再確認するために、まずは雀のお宿のあらすじを分かりやすい現代語訳の視点でおさらいします。
昔あるところに、心優しいおじいさんと、意地悪で欲の深いおばあさんが暮らしていました。おじいさんは一羽の傷ついた雀を我が子のように可愛がり、手厚く世話をしていました。ところがある日、おばあさんが着物の洗濯用に使おうと丹精込めて作った「障子張りの米糊(でんぷん糊)」を、雀がうっかり食べてしまいます。
激怒したおばあさんは、残酷にもハサミで雀の舌を切り落とし、山へと追い出してしまいました。悲しみに暮れたおじいさんは、雀を探して険しい山奥へと分け入り、ようやく竹藪の奥に佇む「雀のお宿」に辿り着きます。雀たちはおじいさんの来訪を歓喜で迎え、歌や踊り、心のこもった料理でもてなしました。別れ際におじいさんは「重い大つづら」と「軽い小つづら」のどちらかを選ぶよう促され、欲張らずに小さいつづらを持ち帰ります。家で開けると、中からはまばゆい金銀財宝が現れました。
これを見たおばあさんは色めき立ち、雀のお宿へと押し掛けます。無理やり案内させた挙句、もてなしもそこそこに大きいつづらを奪うように持ち帰りました。しかし、帰り道の山中で待ちきれずに蓋を開けると、中から無数の化け物や大蛇、毒虫が飛び出し、おばあさんは手痛い報いを受けることになります。