河川における舟下り事業には極めて高度な安全管理が求められます。鬼怒川ライン下りでは、国土交通省の安全ガイドラインを厳密に遵守し、多層的なリスクマネジメント体制を敷いています。
まず、すべての乗船客に対して高浮力型救命胴衣(ライフジャケット)の完全着用が義務付けられており、万が一の落水時にも自動的に頭部が水面上へ浮き上がる構造のものが採用されています。また、船頭は長年の厳しい徒弟制度と水流シミュレーション訓練を積んだ熟練技術者のみが舵を握り、先頭の竿差しと後方の舵取りが息の合った連携で舟をコントロールします。
さらに、上流ダムの放流量データを24時間体制でオンライン監視し、河川の水位や流速があらかじめ設定された安全限界値に達した段階で、自動的に運航中止を発令する運行管理システムが導入されています。こうした二重三重の安全網があるからこそ、老若男女が安心して自然のスリルを満喫できる環境が維持されています。